緩和ケアと聞くと、末期がんで治療が困難な患者に行う治療プランの1つと認識する人も多いでしょう。しかし、実際にはがんだけではなく、さまざまな病気や高齢者にとって必要とされているのです。
緩和ケアに携わる看護師には、いくつかスキルが求められます。例えば、メンタルのケアです。死を覚悟した患者であっても、常に落ち着いていられるとは限りません。また、家族が心配しないように、表面上だけでも明るく振る舞う患者もいます。そんな複雑な精神面をケアするスキルが、緩和ケアに携わる看護師には求められているのです。
そのほか、医療とは異なるアロマやフットケアといった癒し系のスキルも、喜ばれるスキルの1つでしょう。末期患者で寝たきりになるとどうしても体にむくみが生じ、体がつらいと感じる患者が多くなってくるのが現状です。そこでリフレクソロジーを緩和ケアの一環に取り入れることで、患者の負担を軽減できるといわれています。
また、緩和ケアに携わる看護師は、自身のメンタルケアも行うことが大切です。デリケートな状態にある患者と毎日接するため、自分自身も緊張からストレスを抱え込んでしまいます。緩和ケアは、患者にとって重要なものですが、それに携わる看護師が健康でなければ、患者の不安を取り除くことはできません。患者に対する心理的サポートを行いながら自分の心の状態にも気を遣えることが、緩和ケアで働く看護師に求められることといえるでしょう。